WORKS
008.
切妻の家1
Gable House1
Design : Kouichi Kimura
Photograph : Kei Nakajima
琵琶湖と彦根城を望むことができるこの家は分譲住宅が立ち並ぶ一画にあり湖へ注ぐ河川と堤防の遊歩道に隣接している。
この恵まれた周辺環境を取込み生活する事を重視するため土間・テラスをエレメントに
外部と内部空間の関係から生まれる住環境の可能性を提案した。
家の中央の土間空間は各部屋へのアクセスの場として、又コミュニティを積極的に促すスペースとして利用される。

遊歩道と中庭は簡易的な塀で仕切られ、開け放つことにより道からのホールの土間空間までが連続し、 風景を家の内部へと迎え入れるホールのヴォイドは上階へと空間を繋げ、そして全てがリンクし合う空間として広がりのある一体の場を構成する。
2階に配置された畳の間の壁は、外壁へと繋がりテラスを囲む。テラスは畳の間からの眺めに奥行きを与え、 外壁に開けられた開口部が風景を切り取る。もう一方のリビングとダイニングから繋がるテラスは周囲の景観を取り込んだ外部スペースをつくる。

2つのテラスが細い通路で結ばれることにより、限られた空間に回遊性をもたらし、スペースに広がりを生み出す。
この家は周辺環境を取り込みシンプルな構成の中で外部と内部空間が重なり合うことで自律している。